準1級-四字熟語について-1
準1級に合格できるかどうかの分かれ道、ともいわれている「四字熟語」。
その名の通り、漢字4文字で作られた熟語のことですが、準1級に出てくる熟語は、私にとって未知との遭遇(笑)
あ、初めまして…な言葉のオンパレードでした。
問題内容と学習法について、まとめてみました。
◆出題形式
・上下二字の書き取り
・正しい意味の選択
例)□□戴天
といったように、空欄になっている二字を書くことと、同時に
その熟語の正しい意味を選択肢から回答するという内容です。
(ちなみに例題の正解は、書き:「不倶戴天」、意味:「恨みや憎しみの深いこと」です。)
空欄に入る文字は、別枠にひらがなで記載してあります。
意味についても、別枠に選択肢があります。
選択肢は問題数と同数。
※空欄は上二字か下二字です。
「不□□天」のように間が空いている、という出題はありません。
◆配点
・上二文字の空欄が5問、下二文字の空欄が5問、の計10問。1問2点×10問=20点
・意味の選択 1問1点×10問=10点
◆勉強法のコツとして…
漢字の書きと同時に意味も回答するのが、2級までの試験との大きな違い。
ハードルがぐんと上がった感があります。問題を見てフリーズしたのはきっと私だけではないはず…(笑)
避けては通れないのですが、ついつい避けてしまいそうになる問題です。
しかし実はこの四字熟語、準1級の学習をするのにとても効率的といわれています。
『準1級は四字熟語から勉強をスタートしましょう!』という意見も多く見られました。
読み・書き・意味・熟語と、漢検合格へのあらゆるエッセンスがギュッとつまっているのです。
例えば先ほどの「不倶戴天」について。最初にサラッと「恨みや憎しみの深いこと」という意味と書きましたが、怒っているイメージの漢字は入ってないように思います。
どうしてそんな意味なのでしょう…
不…なんとなく否定形とわかりますよね。
倶…「そろって。ともに。」との意味があります。音読みは「グ」、訓読みはそのまま「とも に」。
戴…頂戴の戴ですね。「頭の上にのせる。」または「恭しく上にささげて持つ。」という意味。音読み「タイ」、訓読み「いただ く」。
天…これもそのまま、大空とか、高いところなど。
↓
ともに天を戴かない。
↓
ってなんだ?
↓
天を戴く(戴天)というのは、この世に生きるという意味。
↓
正しい意味は「ともにこの世に生きられない、また、生かしてはおけないと思うほど恨み・怒りの深いこと」。
(元は、「父の讐(あだ)は倶(とも)に天を戴(いただ)かず」から出来た言葉だそうです。)
ともに天を戴かない。ってのはこの世から消し去ってやりたい。ってほど怒っているんですね。
なんて、成り立ちと漢字一字一字を正しく調べていたら結構時間が掛かりそうですが、
でもやっぱり漢字を理解していく近道だろうなと感じました。
そして、四字熟語の構造にはいくつかのパターンがありますので、
どのパターンなのかを意識してみるとより覚えやすいのではないでしょうか。
それはまたの機会にまとめたいと思います。
準1級-読み-20
・渡された資料を瞥見する。
・老爺の語りを聞く。
・遠くから松濤が聞こえてくる。
・川を遡行する。
・茅舎が立ち並ぶ集落を訪ねる。
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●瞥見
読み:べっけん
意味:ちらっと見ること。短い時間でざっと目を通すこと。
瞥
[音]ベツ
[訓]-
ちらりと見る。「瞥見(べっけん)」「一瞥(いちべつ)」
●老爺
読み:ろうや
意味:年をとった男性。高齢の男性。
爺
[音]ヤ
[訓]じじ、じい、じじい
1.男の年寄り。「老爺(ろうや)」「好好爺(こうこうや)」
2.父。「爺嬢(やじょう)」
●松濤
読み:しょうとう
意味:松の梢を渡る風の音を波の音にたとえた語。松籟 (しょうらい) ともいう。
濤
[音]トウ
[訓]なみ
大きくうねる波。「松濤(しょうとう)」「怒濤(どとう)」「波濤(はとう)」「風濤(ふうとう)」
●遡行
読み:そこう
意味:流れを上流にさかのぼって行くこと。
遡
[音]ソ
[訓]さかのぼる
さかのぼる。「遡行(そこう)」「遡江(そこう)」「遡及(そきゅう)」「遡求(そきゅう)」
●茅舎
読み:ぼうしゃ
意味:かやぶきの家。茅屋。
茅
[音]ボウ
[訓]かや、ち、ちがや
1.イネ科の草の名。ちがや。「茅茨 (ぼうし) 」
2.かやぶきの。粗末な。「茅舎(ぼうしゃ)」「茅屋(ぼうおく)」
準1級-読み-19
・太陽が燦燦と照り付ける。
・黛青の山を眺める。
・巽位の方角に進む。
・数年の間に馴致された習慣。
・双方の意見が吻合する。
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●燦燦
読み:さんさん
意味:太陽などが明るく光り輝くさま。彩りなどの鮮やかで美しいさま。
燦
[音]サン
[訓]-
鮮やかに輝くさま。「燦燦(さんさん)」「燦然(さんぜん)」「燦爛 (さんらん) 」
●黛青
読み:たいせい
意味:まゆずみのように濃い青色。遠くの山や樹木などの青々として奥深い色。
黛
[音]タイ
[訓]まゆずみ
1.まゆずみ。「翠黛 (すいたい)」「青黛(せいたい)」「粉黛(ふんたい)」
2.黒ずんだ青色。「黛青(たいせい)」「翠黛(すいたい)」
※青黛(せいたい)
1.青いまゆずみ。また、それでかいた眉。
2.まゆずみのような濃い青色。
3.演劇で化粧に使う藍色の顔料。
●巽位
読み:そんい
意味:東南の方角。
巽
[音]ソン
[訓]たつみ
南東の方角。たつみ。
●馴致
読み:じゅんち
意味:なれさせること。なじませること。また、徐々にある状態になっていくこと。
馴
[音]ジュン
[訓]な れる、な らす
言いつけにおとなしく従う。なれる。ならす。「馴致(じゅんち)」「馴化(じゅんか)」
●吻合
読み:ふんごう
意味:しっくり合うこと。物事が一致すること。
吻
[音]フン
[訓]-
くちびる。くちさき。「吻合(ふんごう)」「接吻(せっぷん)」「口吻(こうふん)」